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神戸大学発達科学部と附属学校との連携授業を行いました

 神戸大学と附属学校との連携授業も、今回で9回目となりました。
 今回は、発達科学部のご協力の下、平成26年2月11日(火・祝)に開催し、 附属小学校5年生から附属中等教育学校5年生までの希望者及び保護者約60人が大学の先生の授業を受けました。

國土将平教授の授業

 人間形成学科で身体発育発達等がご専門の國土将平教授には、「健康的生活習慣をつくりだそう」というテーマで授業をしていただきました。 「昨日の夜は何時に寝ましたか?」「今日の朝は何時に起きましたか?」という國土先生の問いかけから始まり、 普段の生活の積み重ねが将来の健康や体力に影響を及ぼすことについてグラフなどで説明がありました。 また、生活習慣は自分の生活を記録するだけで改善するという説明があり、その方法として、 自分の改善したい生活習慣の目標を決め、魚の骨のように原因を書き出していくという 「魚の骨図(フィッシュボーンダイアグラム)」を学びました。
 國土先生からは、記録は3週間続けると効果が出ることや「自分の記録をつけることで自分の人生に大いに役立ててください。」 というお話がありました。授業では自分自身の生活習慣を振り返ることができ、これからの生活に活かすことができる機会となりました。

田村文生准教授の授業

 人間表現学科で作曲、編曲等がご専門の田村文生准教授には、「音楽の創造と聴取」というテーマで授業をしていただきました。
 田村先生は、附属小学校、附属中等教育学校の校歌を編曲されています。 授業では、作曲家が曲を「作る」とはどのようなことなのかについて、お話がありました。 「千の風になって」の曲の旋律を黒板に書いて、歌い出しである「私の~」の部分「ソ・ド・レ・ミ」や、 曲を特徴付ける旋律の動きである「泣かないで下さい~」の「ド・レ・ファ・ミ」を題材に、この旋律が、 西洋音楽史的にはよく知られた旋律であることを、グレゴリオ聖歌「パンジェ・リンガ(歌え舌よ)」 やモーツアルトの「ジュピター主題」などを鑑賞することで知ることができました。 様々な音楽は、長い歴史の中で、著名な作品の様式や技法を模倣したり、旋律を引用・借用していることを知りました。 そして、田村先生が編曲した「千の風になって」を、どの旋律が使われているか、黒板に書いた旋律を指でたどってくださるのを見ながら、 鑑賞しました。先生からは、作曲とは新しく創作されたものか、あるいは既成の作品を改変した「編曲」なのか、 その判断は私たち聴き手がどう受け取るかによるとのお話があり、音楽の新たな一面を感じることができました。

~授業を受けた児童生徒の感想~

●どちらの授業も画像や映像、グラフや表をたくさん使っていてとてもわかりやすかったです。 ノートにメモをして、大学では、短い間でたくさんのことを学ぶから大変だなと思いました。(小学校5年生)

●田村先生が作った(作曲した)音楽は、すごい迫力がありました。 小さい音から「どーん」と大きな音になったりして、聞いていて、感動とおもしろさを感じました。 國土先生の説明がとても分かりやすく、この頃、寝る時間が遅くなってきているので、テレビを見る時間を減らして、 早寝早起きを心がけようと思いました。楽しい授業をありがとうございました。(小学校6年生)

●今回、先生の授業を聴いてみて、スライドショーがとてもわかりやすかったです。 生活習慣の授業では、夜更かしの原因や生活習慣病の種類などを知りました。 音楽の授業では、「千の風になって」の編曲を聴いて、一つの小節だけで色々なパーツを作っていたので、 とてもすごいと思いました。(中等教育学校1年生)

●生活の乱れが、勉強や体調に深く関わっている事がグラフや表から学ぶことができました。 実際に知っている曲が編曲されたのを聴いて、新しい音楽の見方が少しは出来たのかなと思います。(中等教育学校2年生)

●最初の授業は、これからにでも活かせそうなことだったので、奥深く聞くことができた。 2つ目の授業は、作曲や編曲の仕方が分かった。逆行形や反行形など色々な方法があることを知れた。 とても授業の仕方が特殊でおもしろかった。次も、このような連携授業があれば是非行きたいと思う。(中等教育学校3年生)

●生活習慣の授業では、様々なデータから課題がわかり、今後の生活に活かしたいと思いました。 音楽では、モチーフをどう使うかをかなり考えられた曲を聴かせて頂き、勉強になりました。 近現代の曲は、ハーモニーや構造が意味不明なので、今まで避けてきましたが、勉強してみようと思います。 ありがとうございました。(中等教育学校4年生)

●小学校から今まで学校で学んできたことが、だんだんとつながってきていると感じているんですが、 大学の授業を受けて、1つ1つ単独で存在しているものが、もっと深くつながっていると思いました。 今日の國土先生、田村先生の授業を受けて、音楽と歴史の背景との関係や、生活習慣を基礎とする他の生活への影響を知れたら、 もっと世界がおもしろくなる気がしました。今日は本当にありがとうございました。(中等教育学校5年生)


 授業後には、附属中等教育学校の生徒19人が、3つの見学コースに分かれ、発達科学部の研究室や実験室を訪れました。
 地球環境、環境地学がご専門の大串健一准教授の見学コースでは、「深海の堆積物から小さな化石を探してみよう」というテーマで、 様々な化石を見ながら、「何の化石でしょう」という大串先生の問いかけに、生徒たちは次々と言い当て、先生は感心しておられました。 また、深海の堆積物に含まれる有孔虫の化石が、地球環境の変遷を調べるのに役立つことを知り、実際に、 顕微鏡で有孔虫の化石を観察しました。 最後に、自分たちが観察した有孔虫の化石を小瓶に入れてプレゼントしていただき、生徒たちは嬉しそうでした。
 高分子化学、環境調和型高分子がご専門の佐藤春実准教授の見学コースでは、「環境にやさしいプラスチック」というテーマで、 生分解性プラスチックという、微生物によって水と二酸化炭素に分解されるプラスチックを、酵素を使って分解し、 ヨウ素でんぷん反応を調べる実験を行いました。 生徒たちは、土に埋めて分解されるプラスチックがあることを知り、驚いていました。 また、実験では、時間を追うごとに酵素での分解が進行し、ヨウ素デンプン反応がみられなくなることが分かりました。 家にあるものを使ってできる実験だったので、より理解もしやすかったようです。
 水域生態学、環境生理学がご専門の源利文特命助教の見学コースでは、「環境DNAってなんだろう?」というテーマで、 発達科学部内にあるビオトープで500mlペットボトルを使って水を汲み、ろ過、遠心機をかけた後、試薬を使い、 残った環境DNAを基に、汲んだ水の中にどんな生物がいるかを調べる工程を体験しました。 生徒たちは使ったことのない実験器具に緊張しながらも、積極的に取り組んでいました。
 いずれのコースも、附属中等教育学校の生徒にとって非常に貴重な体験となりました。

大串健一准教授「深海の堆積物から小さな化石を探してみよう」

佐藤春実准教授「環境にやさしいプラスチック」

源利文特命助教「環境DNAってなんだろう?」

~見学に参加した生徒の感想~

<大串健一准教授の見学コース>
学校の授業で習った同位体や放射性同位体での年代測定を行っている先生のお話を 聞くことができて良かったです。マリンスノーは知っていましたが、それが堆積す ることによって、私達が本来知り得ない、昔の環境について知れるというのはすば らしいことだと思いました。人間は自分達のせいで温暖化していく地球を知るため に、宇宙ではなく、地球奥深くへ目を向けるべきだと思いました。(中等教育学校4年生)

<佐藤春実准教授の見学コース>
でんぷんと胃薬を一緒に溶かしたものをヨウ素溶液を使って反応を見て、5分後、 10分後、20分後と分かりやすく実験をしていただき、とても分かりやすかった です。生分解性プラスチックの使われているものを聞いて、色々な場所に使われて いることを知り、ビックリしました。また実験では、身近に思えるように、うがい 薬を使っていて、とても理解しやすかったです。この体験を通して、とても環境に 優しいということを知れて良かったです。(中等教育学校2年生)

<源利文特命助教の見学コース>
環境DNAと聞いたときは、どんなことをするんだろうと思っていたけれど、実験 とか説明とかを聞いて、水1リットルだけで、ここまで調べられるのか!!と驚き ました。実験を、今回は時間がなくて最後までキチンとできなかったけれど、採取 して、どんなDNAかなど最後までやりたかったです。もし、実験ができるならば、 学校の十字池とか身近なところのDNAを調べて本当にカメがいるのかを解明してみたいです。(中等教育学校3年生)


(附属学校部)